【2026年最新医療】「絶望の胃がん」に希望の兆し——スキルス胃がんで長期的寛解を果たした人々の証言と治療の最前線
スキルス胃がん(拡散型胃がん・硬がん)が長年恐れられてきた最大の理由は、その特異な病態生理にある。一般的な胃がんのように胃の表面に隆起や潰瘍を形成するのではなく、がん細胞が粘膜の下層や筋層へ染み渡るように広がっていく。硬い線維化を伴いながら胃全体を急速に硬化させるため、初期段階では標準的な内視鏡検査(胃カメラ)でも異常を捉えにくい。
「自覚症状が出た時には胃全体が硬くなり、食事が通らなくなっている。あるいは、すでに腹膜にがん細胞が散らばる腹膜播種を起こしている」。がん専門拠点病院の腫瘍内科医はそう指摘する。従来の抗がん剤単体では播種病変へ薬剤を届けることが難しく、手術による完全切除も困難とされた時代が長く続いた。これが完治を阻む最大の壁だった。