【医師監修】妊娠中のお腹の張りはなぜ?危険な兆候と受診目安を解説
日常生活の中で「少し張ってきたな」と感じた際、悪化を防ぐための妊娠中のお腹の張り緩和法を身につけておくことは非常に有効です。
基本の第一歩は、何よりも「体を水平にして休むこと」です。座っているだけでも子宮には重力がかかり負担となるため、可能であればベッドやソファで横になり、左側を下にして寝る「シムス位」をとると、大静脈の圧迫が解除されて子宮への血流がスムーズになります。また、冷えは筋肉の緊張を招くため、腹巻やレッグウォーマーで下半身を温め、深呼吸を繰り返して副交感神経を優位に整えることが張りの鎮静に寄与します。
一方、診察の結果として子宮収縮が頻発し、切迫早産のリスクが高いと診断された場合には、医療機関から子宮収縮抑制薬が処方されます。代表的な薬剤が塩酸リトドリン(商品名:ウテメリンなど)です。
処方された際に理解しておきたいのが、張り止め薬ウテメリンの副作用です。ウテメリンは子宮の筋肉を緩めるβ2受容体刺激薬ですが、心臓や血管にも作用するため、服用開始から30分〜1時間ほどで「動悸(胸のドキドキ)」「手の震え」「顔のほてり」「軽度の吐き気」が生じやすくなります。これらの症状は内服を継続するうちに体が慣れて軽減することが大半ですが、日常生活に支障が出るほど激しい動悸や息苦しさを感じる場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず主治医に相談して内服量の調整や漢方薬(当帰芍薬散など)への切り替えを検討してもらいましょう。