高田みづえの夫・元若嶋津の病状と現在|路上昏倒から奇跡の回復へ
昏睡状態が続くICU(集中治療室)のベッドサイドで、不眠不休の付き添いを続けたのが妻の高田みづえでした。当時、二所ノ関部屋には多くの弟子や関係者が在籍しており、親方の不在という未曾有の危機に部屋全体が動揺に包まれていました。彼女はおかみさんとして部屋の動揺を抑え込みつつ、夫の命を救うための闘いに全精力を注ぎ込みました。
病院関係者の証言によると、高田みづえは医師から「意識が戻らない可能性や重い後遺症が残るリスク」について説明を受けた際、取り乱すことなく毅然とした態度で病状を受け止めたといいます。面会制限の厳しい集中治療室において、彼女は許可されたわずかな時間を使って夫の手を握り続け、「お父さん、みんな待っているよ」「戻ってきて」と声をかけ続けました。
五感を刺激することが意識回復への呼び水になると知ると、夫が好きだった音楽を耳元で微かに流し、硬直を防ぐために手足の指先を毎日何時間も丁寧にマッサージし続けました。医学的な治療はもちろんのこと、こうした妻の深い愛情と絶え間ない働きかけが、脳の神経伝達物質に微細な刺激を与え続けたことは疑いようがありません。
事故から約3週間後、呼びかけに対してわずかに目を開き、妻の手を微かに握り返すという劇的な瞬間が訪れました。担当医師団も驚くほどの生命力を見せ、人工呼吸器が外された瞬間、病室には安堵の涙があふれたと伝えられています。