赤ちゃんの太もものしわ左右差は股関節脱臼?見分け方と受診目安
かつて医療現場や母子手帳では「先天性股関節脱臼」という病名が一般的でした。しかし近年の小児整形外科学の進歩により、出生時に完全に脱臼しているケースはごく一部であり、大半は生まれた後の抱き方やおむつの当て方、寝かせ方によって発症または悪化することが判明しました。これに伴い、日本国内でも国際基準に合わせた「発育性股関節形成不全(DDH:Developmental Dysplasia of the Hip)」という診断名への移行が定着しています。
この名称変更が意味する本質は、「生まれつきだから防ぎようがない」という誤解を払拭し、「生後の日常的なケアによって脱臼を防ぎ、健やかな発育を促せる」という予防の重要性です。昭和の時代に約1.5〜3.5%と高率だった国内の発症率は、冬場の厚着による下肢の伸展強制をやめ、カエルのような「M字開脚」を推奨する育児指導の普及によって約0.1〜0.3%(約1,000人に1〜3人)まで大幅に激減しました。