60代メンズの痛い若作りを防ぐ!大人の品格と清潔感を宿す服選び
シニア世代のファッションにおいて、非常によく見られる誤解が「百貨店で買った高級ブランドの服を着ていれば間違いなくおしゃれに見える」という思い込みです。
かつて数十万円で購入した高級インポートブランドのレザージャケットや、有名メゾンの大きなロゴが胸元に配されたセーターを誇らしげに着用しているシニアを見かけることがあります。しかし、現場のスタイリストやファッションジャーナリストの見解は極めてシビアです。洋服には確実に「賞味期限」としてのシルエットの寿命が存在します。
どれほど最高級の生地を使ったアイテムであっても、15年前、20年前のカッティングは現代の街並みの中で強烈な違和感を放ちます。特に太すぎるアームホールや極端に低いゴージライン(ジャケットの襟の刻み目)は、それだけで着用者を「過去の時代からタイムスリップしてきた人物」に見せてしまいます。「高い服だから一生モノ」という言葉を鵜呑みにせず、現在のスタンダードに合わせてシルエットを点検する姿勢が必要です。
一方で、「服に金をかけるのは無駄だから全身ファストファッションで済ませる」という極端な割り切りも同様に危険です。シニアの肌や髪は油分や水分が減少しているため、全身を化繊主体の低価格品で固めると、どうしても全体が乾いた、生気のない印象に陥ります。上質な天然素材のジャケットやニットに、機能的な量販店のスラックスを合わせるなど、「素材感のコントラスト」を意図して作り出すことこそが、知的な大人の知恵と言えます。