瀬織津姫はなぜ封印された?古事記が隠した天照大神との関係と衝撃の真相
瀬織津姫の謎を追う上で避けて通れないのが、皇祖神・天照大神との関係性です。神道界や古代史研究において長年主張されているのが、「天照大神は元来、男神であり、瀬織津姫はその后(妻)であった」という仮説です。
平安時代以前の信仰形態を探ると、太陽神=男神、水神=女神という陰陽のペアリングが自然神信仰の基本構造として存在していました。天照大神が持統天皇の影を投影されて女性神として固定化された際、その対となるべき正妃・瀬織津姫の存在が神話の表舞台から消去されたとする見解です。この文脈において重要視されるのが、物部氏の祖神とされる饒速日命(ニギハヤヒノミコト)との関係です。
饒速日命は天孫降臨に先立って大和の地に天降り、十種の神宝を授けられた太陽神的な性格を持つ神です。一部の伝承や家系図では、瀬織津姫は饒速日命の妻神、あるいはその同神異名であるとも伝えられています。大和朝廷による統一以前に列島を治めていた先住豪族の象徴神であったからこそ、記紀の編纂時に徹底的な「書き換え」が行われたという力学が浮かび上がってきます。