阿蘇の志賀食品「産庵」の現在は?閉店の噂と名物バイキングを徹底検証
インターネット上で「志賀食品 産庵 閉店 理由」という検索語句が目立つようになった背景には、複数の複合的な要因が存在します。地元関係者の証言やこれまでの経緯を照らし合わせると、主に3つの時期的な断絶が誤解を生んだ原因であることが浮き彫りになります。
第1の要因は、2016年の熊本地震です。当時、阿蘇地域一帯は大規模な土砂崩れや主要道路(国道57号や阿蘇大橋)の寸断により、物理的な孤立を余儀なくされました。志賀食品の施設自体も被災し、製造ラインや店舗の補修、インフラの全面復旧まで長期の休業を余儀なくされた時期がありました。この期間の「休業」という情報が、一部のネット掲示板やSNSで「廃業・閉店」と曲解されて拡散した経緯があります。
第2の要因は、2020年から数年間にわたった感染症拡大に伴う営業形態の縮小です。客が自由にトングを使って小鉢に取り分ける「漬物バイキング」は、当時の公衆衛生基準において最も制限を受けやすい提供方式でした。店側は利用者の安全を最優先し、バイキングコーナーを一時閉鎖し、個包装や定食ごとの小鉢盛り付けへと舵を切りました。さらに飲食フロアそのものを一時的にクローズし、漬物の物販販売のみに特化した期間があったため、現地を通りかかった観光客から「産庵のレストランが閉まっている」という噂が広がる結果となったのです。
そして第3の要因が、昨今の観光需要回復に伴う「売り切れによる早期閉店」です。だご汁に使用する特製出汁や手打ちの団子、厳選された阿蘇高菜は、毎朝仕込める量に限りがあります。週末や行楽シーズンには、営業終了予定時刻の14時半を待たず、13時過ぎに「本日分完売」の札が掲げられる事例が相次ぎました。これを目撃した旅行者が「営業していない=潰れたのではないか」とネット上で発言し、検索エンジンのサジェストに定着してしまったのが実情です。