愛人の意味とは?本来の語源から不倫との違い・法律の定義まで徹底解説
民法や刑法などの日本の実定法を開いても、「愛人」という法律用語は条文のどこにも登場しません。法解釈において愛人とは、「配偶者のある者と自由な意思に基づいて性交関係(不貞行為)を結ぶ第三者」として把握されます。
公序良俗違反による「愛人契約」の絶対的無効
「月額30万円の手当を支払う代わりに愛人関係を維持する」「別れる際には慰謝料として1000万円を支払う」といった愛人契約書が交わされるケースがありますが、これらは法的に一切の効力を持ちません。民法第90条は「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする」と定めており、婚姻関係を破壊する愛人契約は確立された大審院・最高裁判例によって絶対的無効とされているためです。
さらに重要なのが民法第708条の「不法原因給付」の法理です。不法な原因のために給付した財産は、後から「契約違反だ」として返還を請求することができません。つまり、手当を払って関係を継続させようとした側が後から手当の返還を求めても、裁判所は相手にしないのです。
共同不法行為と慰謝料請求の相場
愛人関係が既婚者の配偶者に発覚した場合、民法第709条(不法行為)および民法第719条(共同不法行為)に基づき、愛人自身が損害賠償請求の直接の対象となります。
離婚問題に精通する弁護士取材によると、認容される慰謝料の相場は明確なグラデーションを持ちます。
- 婚姻関係が継続する場合:50万〜150万円程度
- 別居または夫婦関係破綻に至った場合:150万〜250万円程度
- 結果として離婚に至った場合:200万〜300万円程度
「独身だと騙されていた」「既婚者とは知らなかった」という過失なき抗弁が立証できない限り、愛人側は共同不法行為責任を免れ得ません。
愛人手当の相場と税務署の監視(贈与税リスク)
愛人関係でやり取りされる手当は、月額20万〜50万円、超富裕層のケースでは100万円を超える事例も存在します。しかし、ここで見落とされがちなのが国税当局の視線です。愛人手当は生活費の扶養義務に基づく給付とは認められず、法的には単なる個人間の無償贈与に該当します。
年間110万円の基礎控除を超える手当や、買い与えられた高級外車、家賃負担などはすべて贈与税の課税対象です。税務調査によって発覚した場合、無申告加算税や重加算税を含めた巨額の追徴課税が愛人側に課される実態があり、経済的庇護の代償は極めて重いものとなります。