ボサノヴァの第一人者・小野 リサの未公開秘話と最新公演の全貌
1989年に発表された鮮烈なデビューアルバム『Catupiry』(カトゥピリ)は、当時の日本の音楽シーンに衝撃を与えた。ポルトガル語で歌われる本格的なボサノヴァアルバムでありながら、その軽やかで親しみやすいサウンドは瞬く間に多くのファンを獲得。翌年には日本レコード大賞の特別賞を受賞し、彼女の名は全国区へと広まっていった。
彼女の歌声が「シルキーボイス」と称される理由は、喉に一切の力みを入れず、息の成分を絶妙に混ぜ合わせた発声法にある。マイクとの距離感を巧みにコントロールし、ささやきの中に豊かな倍音を含ませる技術は、長年のライブ活動を通じて研ぎ澄まされてきた。聴き手の心にスッと染み込むその音色は、疲れを癒やす極上の音響サプリメントとも呼べるだろう。