ブラックホールに吸い込まれたらどうなる?人体と時間の驚愕真相
落下の途中で最初に人体を襲うのが、宇宙物理学の分野で「スパゲッティ化現象(Spaghettification)」と呼ばれる潮汐力の作用だ。ブラックホールの巨大な重力は、距離のわずかな違いによって凄まじい引っ張り力の差を生み出す。
仮に足先から引き込まれたとしよう。足にかかる重力は頭部にかかる重力よりも遥かに強力になる。その結果、身体は縦方向に極限まで引き伸ばされ、横方向には強力に圧縮されるのだ。細胞や分子の結合すら維持できず、人間は一瞬にしてうどんやスパゲッティのように細長い紐状へと引きちぎられてしまう。これは文字通り、宇宙で最も残酷で圧倒的な物理的破壊と言える。
ただし、超巨大ブラックホールと呼ばれる質量が太陽の数百万倍以上ある天体の場合、潮汐力の変化が穏やかなため、引きちぎられることなく境界線を通過できる可能性があるという。だが安心するのは早い。生命を維持できる環境などどこにも存在しないからだ。