赤ちゃんがフニャフニャ…低緊張とは?将来治る?見逃せないサインを徹底解説
低緊張とは、医学用語で「筋緊張低下(Hypotonia)」あるいは筋緊張低下症と呼ばれ、筋肉が安静にしているときに無意識に保たれている持続的な張り(トーン)が低下している状態を指します。ダンベルを持ち上げるような「筋力(筋パワー)」の不足とは異なり、重力に抗して体を支える「基礎的な緊張度」が緩んでいることが本質です。
小児医療の現場では、新生児期や乳児期に体が極端にフニャフニャしている状態を総称してフロッピーインファント(ぐにゃぐにゃ児)と呼びます。抱っこしたときに脇からずり落ちそうになったり、手足を動かす際に抵抗感がほとんどなく、関節が通常以上の可動域で曲がってしまったりするのが典型的なフロッピーインファントの症状です。
この状態を引き起こす筋緊張低下症の原因は、大きく分けて中枢性(脳や脊髄の要因)と末梢性(末梢神経や筋肉自体の要因)の2系統が存在します。
- 良性先天性筋緊張低下症:明らかな脳の器質的障害や遺伝子異常が認められず、成長とともに筋肉のトーンが徐々に改善していく予後良好なタイプ。
- 中枢神経系の異常:低酸素性虚血性脳症、脳形成異常、染色体異常(ダウン症候群やプラダー・ウィリ症候群など)。
- 末梢神経・筋肉疾患:脊髄性筋萎縮症(SMA)、先天性ミオパチー、筋ジストロフィーなど。
- 代謝異常や内分泌疾患:先天性甲状腺機能低下症やアミノ酸代謝異常など。
小児科医が診察を行う際、まずは一時的な発達の個人差(良性先天性筋緊張低下症など)なのか、精査が必要な基礎疾患が隠れているのかを慎重に見極めることから診断が始まります。