突然ショートスリーパーになった?短時間化の真相と隠れた健康リスク
突然「睡眠時間が減っても平気になった」と実感した際、真っ先に疑うべきは「体質の進化」ではなく「生体アラートの誤作動」です。多くの人が抱くショートスリーパーに後天的なれるのかという疑問に対し、睡眠医学の現時点における回答は明確に「否」です。
米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のイン・フー・フー教授らの研究をはじめとする国際的な分子遺伝学の調査では、真性ショートスリーパーの正体はDEC2遺伝子短時間睡眠関連変異や、ADRB1、NPSR1といった極めて稀なショートスリーパー遺伝子変異を保有する人々に限られることが証明されています。該当する変異を持つ人は人口全体の1%未満(約0.1〜0.5%)に過ぎず、生涯を通じて4〜6時間の睡眠で心身の健康と高い認知機能を完全に維持できます。
つまり、生まれつきその遺伝子構造を持たない人間が、20代、30代、あるいはそれ以降の年代になってから自然に真の短時間睡眠者へ変貌を遂げることは生物学的にあり得ません。突如として短時間しか眠れなくなった背景には、睡眠を司る生体リズムの破綻や、脳が強制的に覚醒を持続させている別の要因が確実に存在しています。