大滝詠一「君は天然色」に秘めた涙の真相!松本隆が妹に捧げた永遠の名曲
「君は天然色」の魅力の核心にあるのが、大滝詠一の代名詞である「ナイアガラ・サウンド」です。アメリカのプロデューサーであるフィル・スペクターが生み出した「ウォール・オブ・サウンド(音の壁)」を独自に研究・進化させ、スタジオに何台ものピアノやアコースティックギター、パーカッション奏者を同時に集めて一発録音するという贅沢極まりない手法が取られました。
冒頭のオーケストラのチューニング音と、大滝詠一自身の「1、2、3、4」というカウントから一気に広がる音像は、まるでモノクロの世界にパッと鮮やかな原色が流し込まれるかのような劇的なダイナミズムを生み出しています。
音楽理論の観点から見ても、そのコード進行は極めて精巧です。メジャーセブンスコード(M7)を基調とした洗練された響きに、巧みな転調とウォーキングベースを組み合わせることで、高揚感の中にほんのりとした切なさとノスタルジーを同居させています。この重層的な音の重なりと緻密な構成こそが、何度聴いても飽きることのない魔力の本質です。