竹原町並み保存地区の真価とは?安芸の小京都を歩く完全踏査録2026
保存地区の骨格をなす本町通り周辺には、歴史の証人たる建築群が密度高く点在しています。現地を訪れる際に決して見落としてはならない重要拠点を精査しました。
竹鶴酒造マッサン生家詳細まとめ|日本のウイスキーの原点が息づく蔵
連続テレビ小説『マッサン』の主人公のモデルとなったニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝の生家として名高いのが、享保18年(1733年)創業の竹鶴酒造です。政孝氏が自著や回想録で「酒造りの厳しさと誠実さを骨の髄まで学んだ」と述懐した通り、重厚な母屋と白壁の酒蔵は創業当時の威容を今に伝えています。現在、蔵内部の一般公開は行われていませんが、手入れの行き届いた格子戸越しに漂う蔵の気配や、軒先に掲げられた杉玉は、本物のクラフトマンシップの原点を肌で感じさせます。
西方寺普明閣見どころ|京都・清水寺を模した天空の展望台
町並みを見下ろす高台に位置する西方寺。その境内東側の石段を登った先にそびえるのが、宝暦8年(1758年)に建立された普明閣(ふめいかく)です。京都の清水寺本堂を模したとされる舞台造(懸造)の木造建築は、竹原の象徴的アイコン。舞台に立つと、瓦屋根が波打つように連なる保存地区の甍(いらか)の波と、その向こうに広がる瀬戸内海が一望できます。夕刻、西日に照らされた瓦が黄金色に染まる瞬間は、息を呑む絶景として多くの写真家を魅了しています。
旧笠井邸・森川邸見学経緯|豪商の栄華を今に伝える保存の軌跡
竹原の製塩業の栄華を肌身で知るには、旧笠井邸と森川邸の探訪が欠かせません。明治5年(1872年)に建てられた旧笠井邸は、塩田経営で財を成した笠井氏の邸宅。2階の座敷からは本町通りをパノラマで見渡せ、梁の架け方や意匠に旦那衆の誇りが見て取れます。一方、保存地区の南西に位置する森川邸は、大正元年に移築された豪壮な近代和風建築。塩田王と呼ばれた森川正数氏の美意識が反映された広大な回遊式庭園と主屋は、地域住民と行政が協同して公有化を勝ち取った保存運動の賜物であり、竹原の歴史保全の矜持を雄弁に物語っています。