ダニ刺され症状と写真で見分ける違い!痒みの正体と跡を残さない対処法
一般に「ダニ」と総称されますが、人間に健康被害をもたらす種は生態も生息域も全く異なります。それぞれの生物学的特性を正しく理解していなければ、有効な治療や予防対策を打つことは不可能です。
屋内のカーペットや畳、マットレスに潜むのがツメダニです。ツメダニ刺され症状特徴として重要な事実は、彼らが本来人間を吸血する生物ではないという点です。ツメダニの主食は、同じく室内に無数に生息するチリダニやチャタテムシなどの微小害虫です。これらが増殖する梅雨から秋口にかけてツメダニの個体数も急増し、偶発的に人間の皮膚に触れて体液を吸うために刺咬します。唾液毒素によって強いアレルギー性炎症が生じ、強烈な痒みを伴う紅斑が数日から10日以上残存します。
これに対して吸血そのものを目的とするのがイエダニです。イエダニ刺され跡の経過はツメダニ以上に激しい炎症をたどります。イエダニは本来ドブネズミやクマネズミ、鳥類に寄生している吸血性ダニですが、宿主が死んだり巣立ったりすると新たな吸血源を求めて室内に侵入します。太ももや陰部、脇腹などの皮膚が薄い部位を好んで吸血し、刺された部位は中央に水疱を伴う硬いしこりへと発展します。激痛に近い痒みが2週間以上持続することも珍しくなく、掻きむしることで二次的な細菌感染を引き起こす危険が高い種です。
そして、自然界の草むらや森林に生息し、時に命に関わる感染症を媒介するのがマダニです。マダニ刺され症状写真と危険性は他の屋内性ダニとは一線を画します。体長数ミリのマダニは皮膚に口器を深く突き刺すと、セメント様の分泌物で体を強固に固定し、数日から10日前後にわたって持続吸血を行います。吸血前はゴマ粒程度の大きさですが、吸血後は小豆大から大豆大にまで丸く巨大化します。この間、麻酔様物質を含む唾液を分泌するため、刺されていても本人が痒みや痛みを感じないケースが多々あります。
マダニ咬傷において最も恐るべきは、ウイルス感染症である「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」や細菌感染症である「日本紅斑熱」「ライム病」の媒介です。感染症研究所の集計によると、SFTSは西日本を中心に確認されていましたが、近年は東日本にも生息地域が拡大しており、致死率は10〜30%に達します。野外活動後に皮膚に黒いイボのようなダニが食らいついているのを発見した場合、決して指で無理やり引きちぎってはいけません。口器が皮膚内に千切れて残り、化膿や病原体の注入を招くため、直ちに皮膚科や形成外科を受診して切除処置を受ける必要があります。