「Dear Boy」和訳解説:ポールが前夫に贈った隠された真実
長年、ファンの間では「この曲は解散後のジョン・レノンに向けられた皮肉なのではないか」と囁かれてきた。しかし、作者であるポール・マッカートニーが後に明かした真実は、まったく異なる角度から放たれた愛の讃歌だった。彼が歌いかけていた「Dear Boy(親愛なる君)」とは、妻となったリンダ・マッカートニーの前夫、ジョセフ・メルヴィル・シーのことだったのである。
以下に「Dear Boy」の全対訳を公開する。ポールの溢れ出る感情と、リンダを得た幸福感がどのように歌詞へ落とし込まれているのかを確かめてほしい。
【全対訳】
I guess I never knew
What kind of magic your love could work on me
When I was down, I build a fantasy
And it was alright
(君の愛が僕にどんな魔法をかけてくれるのか、僕は気づいていなかったんだと思う
落ち込んでいたとき、僕は幻想を作り上げていた
それで何とかなっていたんだ)
Dear boy, how could you miss the greatest thing
That ever happened to you?
Dear boy, how could you miss the greatest thing
That ever happened to you?
(なあ君、人生最大の幸運をどうして手放してしまったんだい?
こんなにも素晴らしい出来事を、なぜ見過ごしてしまったんだ?)
I hope you never know, dear boy
How much you missed, dear boy
I hope you never know, dear boy
How much you missed, dear boy
(君が気づかないことを願うよ
どれほど大きなものを失ったのかを
君が一生知らずにいることを祈っているよ
自分が何を逃したのかをね)
Love is coming, love is growing
Love is alright, love is growing
(愛がやってくる、愛が育っていく
愛は大丈夫、愛は深まっていく)
歌詞全体を通して流れるのは、前夫に対する攻撃的な怒りではない。むしろ「こんなにも素晴らしい女性の魅力に気づかず手放してしまった男への哀れみ」であり、同時に「彼女と出会えた自分自身の幸運に対する誇らしさ」だ。痛烈な皮肉の形を借りながら、実質的にはリンダへの深い愛情を告白した極上のラヴ・ソングと言える。