なぜインド人の顔は彫りが深い?南北で驚くほど違う特徴とルーツの真相
2010年代後半から進展した古代DNA解析研究により、南アジアの人々のルーツは従来の単純な「アーリア人征服説」を塗り替えました。ハーバード大学医学部のデヴィッド・ライヒ教授らのチームが主導した大規模な全ゲノム関連解析によると、現代のインド亜大陸住民は、大きく分けて2つの祖先集団の混血であることが判明しています。
その2大基盤とは、北西部に起源を持ち中央アジアや中東の集団と親縁関係にある「祖先北インド人(ANI: Ancestral North Indian)」と、ユーラシア東部集団から初期に分岐して南アジアに長く定住していた「祖先南インド人(ASI: Ancestral South Indian)」です。研究データによると、現代のインド人はカーストや居住地域を問わず、ほぼ例外なくこのANIとASIの両方のDNAを異なる比率で受け継いでいます。
北部の高位階層ほどANIの比率が高く、南部の先住コミュニティほどASIの比率が高いという勾配は存在するものの、完全に孤立した単一の系統は存在しません。数千年にわたる通婚と人口移動の積み重ねによって、ヨーロッパや中東に近い立体的な骨格要素と、熱帯気候に適応した豊かなメラニン色素や柔らかな曲線美がモザイク状に融合した結果こそが、現代のインド人が見せる独特の力強い容貌なのです。