あがりゃんせと天下一品の意外な真相!創業者の執念と限定グルメ検証
京都・北白川の路上で、わずか1台の屋台からスタートした「天下一品」。創業者の木村勉(きむら つとむ)会長が、3年9カ月もの歳月を費やして完成させた鶏がらベースのこってりスープは、外食史に燦然と輝く独自の食文化を築き上げました。その天下一品の総本山である天一食品商事が本社を構えているのは、発祥の地・京都ではなく滋賀県大津市です。
木村氏が雄琴の地に広大な温泉施設の建設を決断した背景には、長年にわたりチェーンを支えてくれた地元・近江の地への恩返しと、「食を通じて人を元気にすること」の延長線上に「湯を通じて人々の疲労とストレスを根底から癒やしたい」という強い信念がありました。当時の特番インタビューや自著・手記で語られた「お腹がいっぱいになっても、身体に疲れが溜まっていては本当の幸福とは言えない。お客様が丸一日笑顔で過ごせる桃源郷を自分の手で作りたい」という生の告白は、単なる外食企業の多角化投資を超えた、執念とも呼べる事業欲を如実に物語っています。
巨額の私財を投じ、琵琶湖畔の地下深くまで掘削を敢行して掘り当てた2種類の自家源泉。木村氏が現場に幾度となく足を運び、露天風呂から望むレイクビューの角度から休憩エリアの椅子の座り心地に至るまで自ら監修したエピソードは、今なお関係者の間で語り草となっています。店名に冠された「あがりゃんせ」という言葉には、近江言葉の「どうぞおあがりください」「ゆっくり召し上がってください」という温かなもてなしの心が込められています。