どこからが罪?わいせつ行為の法的定義と最新の判断基準を解説
法的トラブルを回避し、自他の権利を守るうえで最も重要なのは、「どこからが違法行為となるのか」という具体的な判断基準だ。従来、日本の裁判実務では最高裁判所の判例が示した「徒に性欲を刺激し、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反すること」という概念が長らく骨格を成してきた。しかし、この抽象的な基準だけでは、急速に複雑化する現代の対人トラブルに十分対処しきれなくなっていた。
こうした背景から法改正が重ねられ、従来の強制わいせつ罪は「不同意わいせつ罪」へと再編された。同意のない性的身体接触全般を厳罰化する姿勢が明確に打ち出されている。一方で、不特定多数の目に触れる場所での公然たる露悪的行為については刑法第174条(公然わいせつ罪)が適用されるなど、行為の態様や場所によって罰則の適用範囲は重層的に規定されている。暴行や脅迫が伴わなくとも、「拒絶できない状況」を利用したあらゆるアプローチが刑事罰の対象となり得る点に注意が必要だ。