東京都の県庁所在地は東京?新宿区?なぜ答えが分かれるのか真相を徹底解説
東京の都市構造を語る上で欠かせないもう一つの節目が、バブル経済期から平成初期にかけて進められたメガプロジェクトです。丹下健三氏が設計した旧有楽町庁舎は、昭和の高度経済成長を経て職員数の膨張と業務のIT化に対応できず、執務空間の狭隘化と建物の老朽化が限界に達していました。
当時の鈴木俊一都知事の強力なリーダーシップのもと、東京都庁丸の内移転の歴史が大きく動き出し、1985年に都議会で移転条例案が可決されました。副都心として急速に発展していた淀橋浄水場跡地(西新宿)への新築移転が決定し、1991年(平成3年)4月1日に地上48階、高さ243メートルの新都庁舎が本格稼働を開始しました。これが東京都庁移転の経緯まとめの決定打であり、現在見られるツインタワーの象徴的な景観が定着した瞬間です。
この大規模移転により、都の最高中枢機関は千代田区丸の内から新宿区西新宿へと移転しました。しかし、庁舎の位置が物理的に動いても「23区全体をもって都市としての東京を構成する」という制度設計そのものは変更されなかったため、新庁舎の落成以降、世間一般における「都庁所在地=新宿区」という認識と、「都道府県庁所在地一覧=東京」という公教育の定義の間で齟齬が一層際立つことになりました。