エミネム『ルーズ・ユアセルフ』歌詞と和訳|魂震わす名言と制作秘話
この歴史的名曲は、壮大なレコーディングスタジオではなく、映画の撮影現場に設置された簡素な移動式トレーラーの中で産声を上げました。
当時、エミネムは映画『8 Mile』の過酷な主演撮影に追われており、連日16時間にも及ぶスケジュールをこなしていました。プロデューサーのジェフ・ベースが持ち込んだアコースティックギターのリフをベースにしたトラックを聴いたエミネムは、撮影の合間のわずかな休憩時間にトレーラーへ駆け込み、ノートに狂ったようにリリックを書き殴ったと伝えられています。
驚くべきことに、第1バースから第3バースまでのボーカルテイクは、わずか1テイクの通し録音でレコーディングされたテイクがそのまま本編に採用されました。現場の張り詰めた空気とエミネム自身の極限の疲労・集中力が、そのまま音源の生々しいエネルギーとして封じ込められています。
本作は2003年第75回アカデミー賞において歌曲賞(Best Original Song)を受賞。ヒップホップ楽曲がアカデミー歌曲賞を獲得したのは映画史上で初の快挙でした。しかし授賞式当日、エミネム本人は「ラップミュージックがアカデミー賞を獲れるはずがない」と確信しており、授賞式会場へは出席せず、自宅のベッドで愛娘ヘイリーとアニメ番組を見ながら眠りについていたという逸話はあまりにも有名です。共同作曲者のルイス・レストが代わりにオスカー像を受け取りました。