飛べない鳥がなぜ海の覇者へ?新化石が明かすペンギン進化の謎
近年の古生物学界を揺るがした衝撃的な発見がある。ニュージーランドの古代地層から発掘された、規格外の巨体を持つ絶滅種 クミマヌ・フォーディシ(Kumimanu fordycei)だ。古生物学 者の ダニエル・セプカ 博士らの国際研究チームによる骨格解析では、この個体の推定体重は約150キログラム。現代最大のエンペラーペンギンの3倍以上、大人の成人男性をも遥かに凌ぐ巨躯を誇っていた。
セプカ博士は、その頑丈なフリッパーの骨構造について「現生種とは比較にならないほどの質量と強度を備えていた」と指摘する。巨大な体躯は、体温維持(保温効果)に圧倒的に有利であり、より深く、冷たい深海へと潜水することを可能にした。怪獣のごとき巨ペンギンたちが南太平洋を泳ぎ回っていた光景は、太古の海が彼らの独壇場だった証拠だ。