停止距離とは?空走・制動距離の違いと時速別目安・雨の日の罠を徹底解説
天候が雨に変わると、停止距離を構成する数値は劇的に悪化します。路面とタイヤトレッドの間に侵入した雨水が潤滑油のような役割を果たし、摩擦係数が乾燥時の0.7〜0.8から0.4〜0.5程度まで急低下するためです。
特に危険なのが、タイヤの溝がすり減った状態で高速走行した際に発生するハイドロプレーニング現象(水膜現象)です。タイヤの排水性能が限界を超えると、車両全体が水膜の上に浮き上がり、ハンドル操作もフットブレーキも一切受け付けない制御不能状態に陥ります。この状態では制動距離が乾燥路面の2倍から3倍近くまで延伸します。
さらに見逃せないのがタイヤ摩耗の影響です。タイヤの残り溝が新品時の半分(約4mm)以下になると、濡れた路面でのグリップ力は著しく低下し、法定使用限界である残り溝1.6mm(スリップサイン露出状態)では、雨天時の制動距離が20メートル以上伸びるケースもJAFの検証実験で確認されています。