ご祝儀袋の入れ方決定版!お札の向きや上包みの失敗を防ぐ正解マナー
お札を入れるにあたって、金額の設定と紙幣のコンディションにも深い文化的背景があります。なぜご祝儀袋に新札を入れる理由がここまで強調されるのかといえば、それは単に見た目が美しいからではありません。「この晴れやかな佳き日のために、事前に銀行や両替機へ足を運び、あらかじめ時間を割いて準備をしていました」という敬意と誠意の証だからです。財布に入っていた手持ちのシワだらけの紙幣をそのまま入れる行為は、「急ごしらえで済ませた無関心」の表明になってしまいます。
また、結婚式ご祝儀で偶数を避ける理由は、2、4、6といった偶数が「2つに等しく割れる=別れ・破局」を強く想起させる忌み数だからです。とりわけ「4(死)」や「9(苦)」は徹底して排除されます。ただし、例外として「2万円(夫婦・ペアを連想させる、あるいは1万円札1枚+5千円札2枚で計3枚の奇数にする配慮)」「8万円(末広がりで縁起が良い)」は現代では容認される傾向にあります。
中袋の表面には包んだ金額を縦書きで明記します。その際、改ざんを防ぐ伝統から「金 参萬圓」のように大字(旧字体)を用いるのが正式です(一=壱、二=弐、三=参、五=伍、十=拾、万=萬)。裏面左下には包んだ人の郵便番号、住所、氏名を楷書で正確に記載します。これは新郎新婦が後日内祝いを送る際、芳名帳と照合するための極めて実用的な情報源となります。
また、ご祝儀袋の表書きの書き方と濃墨の理由にも着目すべき作法があります。表書きの名目(「寿」や「御結婚御祝」)や送り主の氏名は、必ず黒々とした濃い毛筆や筆ペンで力強く記さなければなりません。不祝儀の「悲しみの涙で墨が薄れてしまった」という意味を表す「薄墨(うすずみ)」を慶事で使用することは、明確なタブーとされています。
職場や友人と複数名で包む際のご祝儀袋の連名マナーと書き方については、表書きに並べるのは最大3名までが上限です。目上の人を右から順に書き、役職差がない同僚等の場合は五十音順で右から左へ並べます。4名以上の連名になる場合は、代表者1名の氏名を中央に書き、その左下に「外一同」と添え、別紙の奉書紙や白便箋に全員の氏名・住所・個別の拠出金額を一覧にして中袋に同封するのが整然とした作法です。