ゴリラの正式名称は本当に3回?驚きの学名ルールと全4種の真相に迫る
なぜ同じ単語が3回も連なる事態になったのか。その理由は、近代生物学の父カール・フォン・リンネが確立した「学名(二名法・三名法)」のシステムにあります。
生物の学名は世界共通のラテン語表記で表され、通常は以下のような階層構造を持っています。
- 二名法(種を表す):「属名」+「種小名」(例:ヒト=Homo sapiens)
- 三名法(亜種を表す):「属名」+「種小名」+「亜種名」
19世紀半ば、西洋の学者によって新種として記載された際、まず「ゴリラ属(Gorilla)」が新設され、その基準種として「ニシゴリラ(Gorilla gorilla)」と命名されました。属名と種小名に同じ単語を充てるこの手法は、生物分類において「その属を代表する典型的な種(模式種)」を示す標準的なルール(トートニム/反復名)です。
その後、20世紀以降の研究の進展により、生息地域や骨格の違いからさらに細かい「亜種」へと分類されることになりました。その際、「ニシゴリラの中の基準となる基亜種(ニシローランドゴリラ)」に対しても同様に属名・種小名と同じ単語が割り振られたため、結果として「属名:ゴリラ」「種小名:ゴリラ」「亜種名:ゴリラ」という3連続の名称が完成しました。