ホテルニューアカオ台風被害の真相と現在|高波の衝撃から完全復活へ
熱海の海岸線に位置するホテルニューアカオで高波被害が発生したのは、2018年7月28日午後7時30分頃のことでした。東日本を異例の西進ルートで直撃した台風12号の影響により、相模湾には満潮時刻と重なる形で記録的な高波が押し寄せていました。
現場となったのは、海面から約5メートルの高さに位置し、扇状のパノラマビューを誇る名物レストラン「メインダイニング錦」です。当時、会場内には夕食を楽しむ宿泊客約70名が滞在していました。突如として打ち寄せた推定高さ10メートル超の巨大なうねりが、海側の厚さ12ミリの大型ガラス5枚を粉砕。大量の海水とガラス片が館内へ一気に流入しました。
当時の報道各社の取材データや居合わせた宿泊客の手記によると、「地響きのような轟音とともに青黒い波が視界を埋め尽くし、フロアが一瞬で水浸しになった」と証言されています。飛散したガラス片により、ディナー中だった宿泊客ら5名が切り傷などの軽傷を負いました。しかし、現場スタッフによる即座の階段避難誘導と停電時非常灯の作動により、海への転落や重傷者を出すことなく避難が完了しました。
実は、熱海エリアにおけるホテルの高波被害の経緯を遡ると、同館は2004年10月の台風22号でも同様にダイニングのガラス破損被害を経験しています。自然の猛威を前に、断崖絶壁にせり出す独自の建築構造が持つリスクと魅力の双方が、改めて全国に浮き彫りとなった瞬間でした。