絵本『Michi』の隠された秘密と魅力|Junaidaが創る傑作を徹底解剖
絵本『michi』を手に取った読者が最初に驚かされるのは、その特異なブックデザインです。一般的な書籍とは異なり、表表紙からも裏表紙からも読み始めることができる「両開き構造」になっています。
青い服を着た男の子が歩き出す表側のルートと、赤い服を着た女の子が歩き出す裏側のルート。それぞれが一歩を踏み出し、雪景色、奇妙な建造物が立ち並ぶ街、巨大な樹木が生い茂る森、夜空に浮かぶ不思議な広場など、想像を絶する美しい景色のなかをひたすら歩き続けます。
テキストによる状況説明やセリフは一切存在しません。読者は、画面の隅々にまで緻密に描き込まれた「道(michi)」を目で追いながら、主人公とともに未知なる旅を体験することになります。そして、物語の中間地点である観音開きの特大パノラマページに到達したとき、二つの道は運命的に交差します。この鮮やかなカタルシスこそが、本作が世界中で高く評価されている構造的ギミックの真髄です。