イカゴロとはどこの部位?アニサキスの危険性とプロが教える絶品レシピ
鮮魚売り場に並ぶスルメイカの胴体を開くと、中心部に赤褐色をした細長い円筒状の器官が鎮座しています。これこそが「イカゴロ」の正体です。解剖学的には中腸腺(肝臓・膵臓の役割を兼ね備えた消化腺器官)と呼ばれ、脊椎動物における肝臓に該当します。脂質と遊離アミノ酸が極めて高濃度に凝縮されており、ウニやフォアグラにも匹敵する重厚な旨味の源泉となっています。
日常会話やレシピ本で混同されがちな「イカゴロ」と「イカワタ」ですが、指している内臓部位に本質的な違いはありません。「ワタ」が内臓全般を指す全国共通の総称であるのに対し、「ゴロ」は北海道や青森県などの北日本沿岸部で定着した地域呼称です。語源については、漁師の間で「ゴロッとした形状の内臓の塊」から転じたとする説や、アイヌ語由来の漁撈表現が混交したとする説など諸説が存在しますが、北日本の食文化においては「スルメイカの肝臓そのもの」を愛着を込めてゴロと呼び続けてきました。
函館の魚市場関係者が「ゴロのないスルメイカは、出汁の出ない昆布と同じ」と語るように、北海道のイカ郷土料理においてゴロは単なる内臓ではなく、味の根幹を司る調味料そのものとして扱われてきた歴史があります。