【2026最新】山内うどんはなぜ山奥で行列?名物ひやあつと注文ルールを徹底解説
ネット上の口コミで最も熱狂的な支持を集めるキーワードが「ひやあつ」だ。讃岐うどん初心者の中には「なぜわざわざ冷たい麺に熱い出汁を注ぐのか」と疑問を抱く向きも少なくない。しかし、この組み合わせこそが麺の官能的な食感と出汁の風味を極限まで引き出す黄金比である。
山内うどんのルーツは、かつて琴平町で讃岐うどんの歴史を切り拓いた名店「宮武うどん」にある。宮武が生み出した「あつあつ(熱い麺+熱い出汁)」「ひやひや(冷たい麺+冷たい出汁)」「ひやあつ(冷たい麺+熱い出汁)」という3大バリエーションの神髄を、店主の山内敏光氏は忠実に継承し、さらに独自の進化を遂げさせた。
水で締めた冷たい麺に熱々のイリコ出汁を注ぐと、麺の表面が一瞬だけ緩み、中心部にはしっかりとした強靭なコシ(角)が残る。この「外はなめらか、中はしなやかな弾力」というグラデーションが口の中で踊る感覚は、薪火で一気に茹で上げられた手切り麺だからこそ実現できる芸当だ。イリコ特有のエグみを一切感じさせない黄金色の透明な出汁は、麺の小麦の香りをふわりと包み込む。
そして、この「ひやあつ」の相棒として外せないのが、サイドメニューの王者「ゲソ天」である。厨房脇の揚げ物コーナーに無造作に山積みされたゲソ天は、一般的な天ぷらの常識を覆すほどの巨躯を誇る。一口かじれば、衣の香ばしさとスルメイカの濃厚な旨味が広がり、イリコ出汁に浸すことで衣の油分が出汁に溶け出し、あっさりとしたスープに重層的なコクとパンチを付与する。常連客が「ゲソ天なしの山内は画竜点睛を欠く」と語る所以がここにある。