マー姉ちゃんの真実|長谷川毬子の結婚・姉妹社解散と波乱の生涯
長谷川毬子は1917年(大正6年)12月26日、福岡県で長谷川家の長女として生まれました。幼少期から芸術的感性に恵まれ、妹の長谷川町子、長谷川洋子とともに自由闊達な家庭環境で育ちます。しかし、一家の大黒柱であった父・勇吉が病により急逝したことで、家族の運命は一変しました。
母・貞子の「これからは女性も自立して生きる時代」という強い信念のもと、一家は東京への移住を決断。毬子は洋画家・岡田三郎助に師事して本格的に絵画を学ぶ一方、次女・町子の並外れた漫画の才能をいち早く見出し、当時『のらくろ』で一世を風靡していた田河水泡への弟子入りを強力に後押ししました。自らも絵筆を握りながら、妹のマネージャー兼プロデューサーとしての役割を自然と担うようになったのです。
1979年に放送されたNHK連続テレビ小説『マー姉ちゃん』では、妹たちを引っ張る快活で頼もしい長女として描かれ、主演の熊谷真実の出世作となりました。原作となった町子の自伝漫画『サザエさんうちあけ話』でも、毬子は常にトラブルを笑いに変え、家族の舵を取る頼もしいリーダーとして登場します。しかし実際の毬子は、豪快な笑顔の裏で極めて冷徹なビジネス感覚と、妹の創作環境を守るための強い防毒壁としての覚悟を併せ持っていました。