「本望とは」本来の意味とビジネス敬語の落とし穴|目上の人に使える?
「本望とは」本来の意味とビジネス敬語の落とし穴|目上の人に使える?とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を整理してお届けします。
ビジネスパーソンが最も直面しやすい疑義が、「本望は目上の人に使えるか」という判断です。結論から述べると、上司、取引先、役員などの目上の人に対して自分から「本望です」と直接述べる表現は、ビジネスマナー上避けるべきとされています。
理由は、語の主語と視点にあります。「本望」はあくまで「自分自身の個人的な望み」を評価基準としています。目上の人から褒められたり、重要な役職に抜擢されたりした場面で「お役に立てて本望です」と答えると、相手の意向を差し置いて「自分の願望が叶って満足した」「自分の目標の道具として案件を捉えていた」という独善的な自己完結のニュアンスが滲み出てしまうのです。相手への敬意や恐縮の念を伝えるどころか、傲岸不遜な印象を与えます。
では、ビジネスシーンで目上の人からの厚意や評価に対して感謝や充足を伝える場合、どのような表現を選択すべきでしょうか。実務で信頼を獲得するためのビジネスでの本望の敬語表現としては、次の3系統への言い換えが鉄則です。
第一に、「身に余る光栄に存じます」「大変光栄の至りでございます」。相手からの評価や登用が、自己の能力を超えて誇らしいものであると謙虚に表す王道の敬語コミュニケーションです。
第二に、職務や専門職としての誇りを伝える「〜冥利(みょうり)に尽きます」。「開発者冥利に尽きるお言葉をいただき、身の引き締まる思いです」と述べることで、個人の我が儘な望みではなく、職業倫理に基づいた純粋な喜びを品格高く表現できます。
第三に、予想以上の好結果に対する「望外の喜びに堪えません(ぼうがいのよろこびにたえません)」。自分ごときの浅慮を超えた望外の展開であると位置付けることで、相手の配慮や支援を十二分に立てる姿勢が完成します。