名作ドラマ『それでも、生きてゆく』が語り継がれる理由と真相
物語のクライマックスにおいて、主人公・深見洋貴(瑛太)と遠山双葉(満島ひかり)が辿り着く結末は、多くの視聴者の涙を誘うと同時に、深い感動と救いをもたらしました。
妹・亜季を惨殺した犯人であり、双葉の実兄である雨宮健二こと三島文哉(風間俊介)は、再び凶行に及ぼうとした果てに逮捕されます。洋貴はかつて復讐の念に駆られ、文哉を殺害することすら考えていましたが、池の中で文哉と取っ組み合い、泥だらけになりながら対峙した末に、暴力による復讐ではなく「法の裁きと、一生をかけた罪の自覚」を背負わせる道を選びます。文哉自身も、自らが奪った命の重さと取り返しのつかない罪の深さに、初めて恐怖と後悔の涙を流すことになります。
そして最も多くの視聴者の胸を締め付けたのが、洋貴と双葉の恋の行方です。互いに心を通わせ、誰よりも理解し合える唯一無二の存在となった二人ですが、ドラマは「被害者の兄と加害者の妹が結ばれてハッピーエンド」という安易なカタルシスを毅然と拒絶します。
二人はそれぞれの家族と日常に向き合うため、別々の場所で生きていくことを選びます。最終話のラストシーン、遠く離れた場所で同じ青空を見上げ、手紙を通じて交わされる静かな約束。決して過去の傷は消えず、罪も消えないけれど、「それでも、私たちは生きてゆく」というタイトルそのものの力強い決意が描かれ、物語は静かな祈りとともに幕を閉じます。