吉本新喜劇アキが座長になれた本当の理由と「いいぃよぉ」誕生の真相
新喜劇入団後、アキの才能を一気に開花させたのが、当時座長を務めていた辻本茂雄の存在でした。「茂造じいさん」シリーズにおいて、アキは黄色いスーツを着た借金取りやチンピラ役として登場。茂造からの無茶振りや理不尽な要求に対し、絶妙な間と高めの裏声で返す「いいぃよぉ〜」は、瞬く間に劇場の爆笑をさらう定番ギャグへと進化しました。
このギャグは計算し尽くされた台本から生まれたものではなく、舞台上でのアドリブと阿吽の呼吸から偶発的に生まれたものです。インタビューや特番で語られた回想によると、茂造からの突飛な絡みに対して自然体で受けて返した一言を、辻本が見逃さずに「もう一回やってみろ」と増幅させたことがきっかけでした。
さらに観客の度肝を抜いたのが、下半身にフィットしたスパッツ姿で登場する「スパッツ男」のキャラクターです。全身を駆使したアクロバティックなハイキックを放ちながら、「スパッツ履いてるから足が上がるんや」と真顔で言い放つギャップは、子供からお年寄りまで幅広い世代を虜にしました。受け身の巧みさと美しいフォームがあるからこそ、激しいボケも安心感を持って笑いに昇華されるという構造を持っています。