菅田将暉『溺れるナイフ』過酷な撮影秘話と結末の真相を徹底考察
破滅的なコウと夏芽の引力に呑まれがちな本作において、作品のリアリティと温かな救いを支えたのが重岡大毅(WEST.)演じる大友勝利と、上白石萌音演じる松永カナの存在です。
大友は、傷ついた夏芽に対して一切の否定をせず、太陽のような明るさで寄り添います。眉毛を整える微笑ましいシーンや、バッティングセンターで夏芽を笑わせるシークエンスは、映画レビューサイトやSNS上でも「大友こそが真のヒーロー」「大友の優しさに救われた」と絶大な支持を集めました。
一方、上白石萌音演じるカナが見せる「神聖なコウへの狂信的な憧れ」と「東京から来た美しい夏芽への嫉妬」が入り混じった複雑な視線は、思春期少女のリアルな業(ごう)を生々しく表現。主演二人を囲むこの二人の卓越した演技力があったからこそ、浮世離れした神話的世界観が地に足のついた青春群像劇として成立したのです。