江戸時代の旅人はどう歩いたか?最新データで解き明かす宿場町の全貌
江戸時代中期から後期にかけて、旅行は過酷な移動から「娯楽」へと劇的な変貌を遂げる。その潮流を加速させたのが、十返舎一九による大ヒット作『東海道中膝栗毛』である。
弥次さんと喜多さんが繰り広げる滑稽な珍道中は庶民の心を掴み、当時の出版業界に未曾有のヒットをもたらした。続編が次々と刊行され、読者は物語を手に実際の街道へ飛び出した。
信仰のための「伊勢参り」という名目を借りつつ、各地の名物料理を味わい景勝地を楽しむ。この作品が導いた空前の旅ブームは、街道沿いの土産物屋や名物茶屋を潤し、日本における観光産業の基盤を造り上げた。