筋斗雲に乗れる条件の真相!意外な脱落者と最高速度・消えた理由を解説
「筋斗雲」という名称を聞いて誰もが思い浮かべるのが、中国の明代に成立した四大奇書の一つ『西遊記』です。しかし、古典文学における原典と『ドラゴンボール』の設定には、決定的な構造の違いが存在します。
古典『西遊記』における西遊記の筋斗雲の由来は、乗り物としての雲ではなく、仙術の師匠である須菩提祖師(しゅぼだいそし)から孫悟空が授かった「雲に乗って空を飛ぶ身体術(神足通)」の一種でした。「筋斗(きんとう)」とは中国語で「宙返り(とんぼ返り)」を意味します。原典の悟空は、雲を呼び寄せて宙返りを一回転打つことで、一瞬にして十万八千里(約4万〜5万キロメートル=地球一周分以上)を跳躍移動する術として筋斗雲を扱っていました。
これに対し、鳥山明はこの古典伝承を大胆にアレンジしました。「宙返りで飛ぶ高度な術」から「意思を持ったふわふわの雲の乗り物」へと変換し、誰でも直感的に憧れるポップなガジェットへと昇華させたのです。
作中におけるルーツを辿ると、亀仙人が所有していた筋斗雲は、元々天界にそびえるカリン塔の主であるカリン様から授けられたものでした。ピッコロ大魔王の手下・タンバリンによって初代筋斗雲が破壊された際、悟空はカリン塔を再訪します。そこでカリン様が見せたのは、部屋一面を埋め尽くすほどの「巨大な元祖筋斗雲」でした。カリン様は「好きなだけちぎって持っていけ」と告げ、悟空はそこから必要な分をちぎり取って2代目の相棒を手に入れています。つまり、世界に散らばる筋斗雲はすべて、カリン塔にある巨大な親雲から分化された同一個体群であることが明かされています。