急な動悸や体重減少の正体とは?甲状腺機能亢進症の症状と最新治療法
「バセドウ病」と「甲状腺機能亢進症」という言葉は混同されがちですが、厳密には病態と原因疾患という位置づけの違いがあります。甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが過剰に作られて血中濃度が高くなっている「状態」全般を指す医学用語です。
そして、日本国内における甲状腺機能亢進症の約8割から9割を占める最大の原因疾患がバセドウ病です。バセドウ病は、本来は外敵から体を守るはずの免疫システムが誤作動を起こし、自身の甲状腺を刺激してしまう自己免疫疾患に分類されます。
甲状腺を刺激する異常な抗体(抗TSH受容体抗体)が体内で作られると、甲状腺にある受容体へ絶え間なく「ホルモンを作れ」という命令を出し続けます。その結果、甲状腺が全体的に腫れ上がり、過剰なホルモンが全身にばらまかれます。なお、バセドウ病以外にも、甲状腺の組織が一時的に壊れてホルモンが漏れ出す「無痛性甲状腺炎」や「亜急性甲状腺炎」などでも一時的に亢進状態(甲状腺中毒症)が生じるため、専門医による正確な鑑別が不可欠です。