ジュディ・オング「魅せられて」歌詞の意味と「女は海」誕生秘話
「魅せられて」の歌詞を手掛けたのは、昭和歌謡界に数々の革新的な女性像をもたらした作詞家の阿木燿子です。同曲で最も象徴的な「女は海」という一節は、単なる比喩にとどまらず、当時の女性たちが求めていた「自立」や「自由な恋愛観」を鮮烈に描き出しています。
穏やかな波のときもあれば激しい嵐のように感情を揺さぶる海は、決して男性の意のままにはならない女性の神秘性そのものです。誰かの所有物になるのではなく、自らの意思で人を愛し、どこまでも深く包み込む――。異国情緒漂うエーゲ海を舞台に紡がれた言葉の数々は、従来の受動的な歌謡曲のヒロイン像を鮮やかに塗り替えました。
「南に向いてる窓をあけ」「東へ向かう船の影」といった方角の描写も、見知らぬ世界へ羽ばたこうとする主人公の冒険心と色香を際立たせています。