「魚へんに参」の読み方は?鯵の由来と真相・旬の絶品見分け方を徹底解剖
釣り情報メディアや現場のアングラー、そして豊洲市場のベテラン仲卸への取材を通じて浮かび上がるのは、「同じマアジであっても、育った環境によって味が全くの別物になる」という厳然たる事実です。
現場では、マアジを体色と生息環境から明確に「黒アジ(回遊型)」と「黄アジ・金アジ(居つき型)」の2種類に峻別しています。
外洋を激しい潮流に乗って長距離移動する「黒アジ」は、体色が黒ずんで細長く、筋肉質で身が締まっています。運動量が多いため脂肪分は少なめで、南蛮漬けやフライには適しているものの、刺身にするとややパサつきを感じることがあります。
一方、外洋に出ず、湾内の浅瀬や岩礁地帯に定住する「黄アジ(地域によってはセツキアジ、金アジ、黄金アジと呼ばれる)」は、豊富なプランクトンを飽食して育つため、丸々と太って体高があります。体色は黄金色の輝きを帯び、ヒレが鮮やかな黄色に染まるのが特徴です。この居つき型のアジは身全体に上質な脂が霜降り状に回っており、口に入れた瞬間にとろけるような甘みを感じさせます。
大分県の「関あじ」や愛媛県の「岬(はな)あじ」、神奈川県走水(はしりみず)の「走水アジ」といった超高級ブランド鯵の正体は、まさにこの栄養豊かな海域で育った居つき・瀬付きの個体です。