幸色のワンルーム実写ドラマ関東中止の真相と現在の配信状況

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2018年6月18日、テレビ朝日は日曜深夜の「ドラマL」枠で予定していた『幸色のワンルーム』の関東地区における放送を見送ると突如発表しました。初回オンエアを目前に控えたタイミングでの番組差し替えは、民放キー局の編成史上きわめて異例の措置でした。

事態が紛糾した最大の原因は、2014年に埼玉県朝霞市で発生した女子中学生誘拐事件との類似性を指摘する声が、インターネット上で急速に拡大した点にあります。原作漫画(ガンガンpixiv連載)が発表された当初から、ネット掲示板やSNS上では「実在の監禁事件を美化・ロマンチック化しているのではないか」という批判がくすぶっていました。ドラマ化決定の一報が全国紙やWebメディアで報じられると、被害者心情への配慮を求める抗議メールや電話がテレビ朝日本社へ殺到。有志による放送中止を求めるオンライン署名運動には、短期間で数千筆が集まる事態へと発展したのです。

テレビ朝日広報部は当時、「ドラマの企画内容および視聴者の皆様から寄せられた様々なご意見を総合的に勘案し、放送を見送る判断に至った」とコメントを発表しました。背景には、首都圏で起きた凶悪事件の記憶がまだ生々しく残っていたこと、そして公波を預かるキー局としてBPO(放送倫理・番組向上機構)への申し立てやスポンサー企業への風評被害リスクを極限まで回避したいという強い危機管理意識が働いたと分析されています。

しかし、ドラマの制作幹事局であったABCテレビ(朝日放送テレビ・関西)の対応は対照的でした。ABC側は「原作者および出版元に改めて確認を行い、特定の事件をモデルにした作品ではないことを確認している」「過酷な家庭環境に置かれた少女の再生を描くヒューマンドラマであり、犯罪を肯定する意図はない」と説明。予定通り2018年7月8日深夜より関西ローカルで放送を強行したのです。同じネットワークに属する準キー局とキー局で判断が真っ向から二分されたこの出来事は、表現の自由と放送倫理の境界線を巡る象徴的な事例としてメディア史に刻まれました。

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