クリントンストリートベイキング現在の姿!閉店理由と日本再上陸の真相
2013年8月に日本第1号店として鳴り物入りで上陸した南青山表参道店は、オープン当初から連日300人以上の来客を記録しました。2017年には東海エリアの中核拠点としてJRゲートタワー(名古屋)へ進出を果たし、順風満帆に見えた日本展開がなぜ終焉を迎えたのか。業界関係者への取材と外食産業の財務動向から、3つの決定打が浮き彫りになりました。
第1の要因は、「固定比率の高い都心大型路面店」と「コロナ禍の行動制限」の致命的なミスマッチです。南青山の骨董通りエリアは坪単価が極めて高く、インバウンド需要とオフィスワーカー、休日の遠方来客のフル回転を前提とした収益モデルでした。2020年以降の断続的な緊急事態宣言やテレワーク定着により、想定客数を維持することが物理的に困難となりました。
第2の要因は、契約形態における定期建物賃貸借契約の満了です。飲食業界において商業施設や都心路面店の多くは5年〜10年スパンの契約更新を迎えます。南青山店はオープンから約9年が経過したタイミングであり、リニューアル投資を行うか撤退するかの経営判断において、国内ライセンシー企業がリスク回避を選択したと見られます。
第3の要因は、急速な円安の進行と北米産高品質原材料の仕入れコスト暴騰です。本店のレシピとクオリティを厳格に再現するため、小麦粉のブレンド比率やバター、ピュアメープルシロップに至るまで指定原料の比率が高く、為替レートが1ドル=100〜110円台から150円台へと突入した局面で原価率が跳ね上がりました。価格転嫁の限界を超えたことが、日本撤退を決定づける引き金となりました。