老犬がご飯を食べないのに水は飲む…何日耐えられる?原因と余命のサイン
インターネット上の掲示板やSNSでは、愛犬がご飯を食べなくなった際の打開策として「シリンジ(針なし注射器)を使って流動食を口に流し込むべき」というアドバイスが頻繁に語られます。しかし、ここには生命を直接脅かす重大な盲点が存在します。
自力で咀嚼や嚥下ができない衰弱状態の老犬に対し、安易な老犬への流動食のシリンジ給餌を行うと、高確率で「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を引き起こします。食道ではなく気管にペースト状の流動食や水分が流れ込んでしまう事故であり、体力が落ちたハイシニア犬が誤嚥性肺炎を発症した場合、わずか1〜2日で呼吸不全に陥り命を落とす引き金になりかねません。
シリンジ給餌を実施する際には、必ず以下の原則を徹底しなければなりません。
犬の正面から無理に口をこじ開けたり、頭を上向きに反らせたりして流し込むのは厳禁です。頭部を正面またはやや下向きの自然な姿勢に保ち、犬の「口角(唇の横の隙間)」からシリンジの先端を差し込み、舌の奥ではなく頬の内側へ向けて、0.5ml〜1mlずつのごく微量をゆっくりと注入します。愛犬がペロリと舌を動かして「ゴクン」と飲み込んだのを確認してから次の一口を与えなければなりません。
また、老犬がご飯を食べないときの具体的な対処法として、強制給餌に踏み切る前に試すべき家庭内の工夫があります。
老犬の食欲不振は「嗅覚の衰え」がトリガーになっていることが多いため、フードを電子レンジで人肌(38℃〜39℃程度)に温め、脂質の香りを立たせるだけでも反応が変わる場合があります。また、老犬用のハイカロリーペーストや、動物病院で処方される退院サポート用の超高嗜好性缶詰を上あごに少量塗りつける方法も効果的です。食器の位置が低すぎて首に負担がかかっているケースも多いため、食器台を前足の関節の高さまで底上げする工夫も欠かせません。