マイボーム腺の詰まりを放置するな!目の乾き・ゴロゴロの真相と治し方
臨床現場において、マイボーム腺の閉塞や炎症を体系的に捉えるための指標となるのが日本眼科学会マイボーム腺機能不全診療ガイドラインです。このガイドラインでは、マイボーム腺機能不全(MGD:Meibomian Gland Dysfunction)を「マイボーム腺の機能異常によって引き起こされる慢性の眼表面疾患」と定義し、脂の分泌が減少する「減少型」と、分泌が過剰になるものの質が悪化する「分泌過多型」に分類しています。日本国内の患者の大半は排出口が狭窄・閉塞する「減少型MGD」に該当します。
眼科専門医が診断に用いるマイボーム腺機能不全(MGD)の診断基準は、主に以下の3つの項目を総合して判定されます。
- 眼愁訴(自覚症状):異物感、乾燥感、眼痛、灼熱感、かすみ目などの自覚症状が存在すること。
- 開口部周囲の異常所見:スリットランプ(細隙灯顕微鏡)検査において、血管拡張、開口部の閉塞や位置の乱れ、まぶたの縁の不整が認められること。
- 分泌機能の低下:指や専用の器具でまぶたを圧迫した際、脂の排出が認められない、あるいは排出されても濁った練り歯磨き状・チーズ状に変性していること。
また、まぶたに生じるしこり状の病変を巡っては、霰粒腫と麦粒腫の違いと見分け方を正確に把握しておく必要があります。麦粒腫(いわゆる「ものもらい」「めばちこ」)は、黄色ブドウ球菌などの細菌感染によって生じる急性の化膿性炎症であり、強い痛みと局所の発赤・熱感を伴います。一方で霰粒腫は、マイボーム腺が詰まることで内部に脂が溜まり、無菌性の肉芽腫を形成する病態です。痛みは原則として軽微ですが、硬い結節が長期間まぶたに残り続け、細菌感染を合併して化膿性霰粒腫へと移行することもあります。