顔を隠す布の正式名称は?ヒジャブ・目出し帽・葬儀の白布まで徹底解説
国際ニュースなどで最も頻繁に目にするのが、イスラム教徒(ムスリム)の女性が身につけるベール類です。これらはすべて同じに見えることがありますが、顔の隠れ具合によって明確に名称が区別されています。
最も普及している「ヒジャブ」は、頭髪と首を覆って胸元に垂らすスカーフであり、顔自体は隠しません。一方で「ニカーブ」は、目の周りだけを露出させ、鼻から顎までをしっかりと覆う布を指します。アフガニスタンなどで見られる「ブルカ」は最も覆う範囲が広く、目の部分さえも細かいメッシュ素材になっており、外部から素肌が一切見えない構造になっています。イランなどで日常的に着用される「チャドル」は、黒い大きな一枚布で身体全体を覆うスタイルです。
イスラム圏の女性が髪や顔を覆う根本的な理由は、聖典『クルアーン(コーラン)』において、女性に対して近親者以外の男性の前で美しさ(装飾や魅力的な部位とされる「アウラ」)を控えめに隠すよう説かれていることに由来します。肌や髪を隠すことは、宗教的な敬虔さの表明であると同時に、男性からの視線や危害から身を守り、女性自身の尊厳を保つための手段として受け継がれてきました。国や地域、個人の信仰の度合いや法的規定によって、どこまで隠すかの選択は大きく異なります。