夢の原子炉もんじゅ廃炉の真相と巨額の代償:核燃料サイクルの行方
技術的な観点から見れば、もんじゅの失敗はナトリウム冷却高速炉という方式が持つ極めて高いハードルに起因している。水ではなく液体ナトリウムを冷却材に使うことで、使用済み燃料からプルサーマル発電以上の効率でプルトニウムを増殖させる。論理上は完璧に見えたこの構想は、現実の物性壁に衝突した。
1995年に起きたナトリウム漏洩事故とそれに伴う火災は、日本の原子力工学の歴史における決定的な転換点となった。不透明な配管構造、金属疲労、さらにはナトリウム特有の取扱いの難しさが重なり、安全設計の甘さが露呈したのだ。先端科学の知見を詰め込んだはずの構造が、現場の運用においては制御不能なリスクへと変わってしまった。
高度な技術的挑戦であったことは確かだ。しかし、制御不能なリスクを抱えたまま実用化を焦った結果、プロジェクトは自壊への道をたどることとなった。