【義務化】法務局の相続登記は自分でできる?費用比較と落とし穴を徹底解説
実際に法務局で自力申請を行った一般市民の取材データや、オンラインコミュニティ(知恵袋やSNSなど)に寄せられた生の声からは、制度の理念と現場実務の間にあるギャップが浮き彫りになっています。
自力申請者が最も頼りにするのが、法務局が提供している登記手続案内窓口です。しかし、利用にあたっては法務局の登記相談予約方法を正しく把握しておく必要があります。現在、多くの法務局では事前予約制が採られており、専用の予約システムや電話受付で日程を押さえなければなりません。相談時間は1回あたり20分〜30分程度と厳格に制限されており、担当官が手取り足取り申請書を代筆してくれるわけではありません。
取材に応じた都内在住の50代男性は、自力申請の現実を次のように語ります。
「役所で戸籍を集めるだけで有給休暇を2日使い、法務局の相談予約を取るのにも2週間待ちました。窓口では『この用紙のこの部分が違います』と指摘されますが、法務局の方は法的な助言や節税のアドバイスをしてくれるわけではなく、形式チェックのみ。結局、書類の補正のために3回法務局に足を運び、完了まで2ヶ月以上かかりました。10万円浮いたとはいえ、精神的な消耗は想像以上でした」
また、登記が完了した後の登記識別情報通知書の受取方法についても注意が必要です。登記識別情報通知書は、かつての「権利証」に相当する極めて重要な機密情報です。交付を受けるには、申請時に受取方法として「窓口受取」を指定して法務局に直接出向くか、郵送を希望する場合は「本人限定受取郵便(特例型)」の返信用封筒と書留料金分の切手を同封して提出しなければなりません。通知書に記載された12桁の暗号コードは、将来の売却や担保設定時に必須となるため、厳重な保管が求められます。