北斗の拳シュウの最期と盲目の理由|聖帝十字陵に散った仁星の真実
シュウという武人の原点を語る上で絶対に外せないのが、ケンシロウとの運命的な出会いとなった「南斗十人組手」の事件です。当時、南斗の総帥たちが見守る前で行われた過酷な試練において、まだ幼少期だったケンシロウは10人目の対戦相手として立ちふさがったシュウに敗北を喫しました。
当時の南斗の厳格な掟では、他流派の人間が組手で敗れた場合、生かして帰すことは許されず即座に処刑される決まりとなっていました。立ち会っていたサウザーが無慈悲に少年の処刑を命じたその瞬間、シュウは周囲の度肝を抜く行動に出ます。「この少年の目には無限の未来が宿っている」と直感したシュウは、自らの両手の指を双眸に突き刺し、眼球を潰して光を永遠に閉ざしました。自らの光を差し出すことと引き換えに、ケンシロウの命をサウザーに乞い、救い出したのです。
この一件により、シュウは「仁星のシュウ」として、他者の未来のために己を犠牲にする過酷な宿命を歩み始めることになります。視力を失った後も、彼は研ぎ澄まされた気配の察知能力と卓越した足技を昇華させ、盲目でありながら南斗屈指の戦闘能力を維持し続けました。ケンシロウにとってシュウは、ただの恩人にとどまらず、「他者の痛みを背負って生きる」という北斗神拳伝承者としての精神的支柱を授けた最初の師父ともいえる存在でした。