なぜ即興音楽の聖地に?千駄木Bar Issheeの独自ルールと評判の真相
谷中・根津・千駄木のいわゆる「谷根千」エリアといえば、古民家カフェや寺町巡りといった風情ある散策路を思い浮かべる方が大半かもしれません。しかし、不忍通り沿いの一角にある雑居ビルの階段を地下へと降りると、そこには外の穏やかな下町風情とは完全に隔絶された地下迷宮が広がっています。それが千駄木 bar issheeです。
この場所が国内外の先鋭的なアーティストや音楽通から「伝説的な聖地」と称される最大の理由は、音の純度を極限まで研ぎ澄ませたミニマルな空間設計にあります。客席とステージの物理的な段差はなく、観客はわずか1〜2メートルの至近距離で、演奏者の指先が弦を擦るかすかな摩擦音や、自作電子楽器から放たれる微細な電気ノイズ、アンプが震える空気圧をダイレクトに全身で浴びることになります。
PA(音響機器)を通した画一的な出音ではなく、その部屋の空気そのものが震動する生々しいダイナミズムは、数千人規模のホールでは決して体験できません。ヨーロッパやアメリカ、アジア各国の実験音楽家たちが来日ツアーの際に「どうしてもここで音を出したい」と熱望し、公式スケジュールに名を連ねる光景は、すでに現地の日常となっています。bar isshee 即興音楽およびbar isshee ノイズミュージックの震源地として、この小空間は世界地図レベルの認知を獲得しています。