なぜ鎌倉で台湾リスが急増?可愛い見た目に潜む甚大な被害と定着の真相
野生のリスを見かけた際、多くの人が「日本の森に昔からいるリスではないのか」と混同しがちです。しかし、日本の本州・四国・九州に古来生息している在来種の「ニホンリス(ホンドリス)」と台湾リスの間には、形態・鳴き声・生活様式において明確な違いが存在します。
最も顕著な識別ポイントは腹部の体毛の色です。ニホンリスの腹面が鮮やかな純白であるのに対し、台湾リスは赤褐色から暗褐色、あるいは鈍い灰褐色をしており、白く抜ける部分が一切ありません。また、冬季のニホンリスに見られる愛らしい「耳先の房毛(耳毛)」は、温暖な地域に適応した台湾リスには季節を問わず存在しません。体躯も台湾リスの方が一回り以上大きく、力強い骨格をしています。
特に現地で住民を驚かせるのが鳴き声のバリエーションと音量です。山林や庭先から「ワン、ワン」とまるで小型犬が吠えているような金属的なダミ声、あるいは「ケッケッケッ」「ギチギチギチ」という鋭い連続音が響き渡る場合、それはほぼ間違いなく台湾リスの仕業です。この鳴き声には明確な意味があり、外敵(カラス、ヘビ、ネコ、人間)を発見した際の警戒アラーム、縄張りの防衛主張、そして春や初秋の発情期における異性へのコーリング(求愛)として機能しています。この騒音そのものが、後述する地域住民の深刻なストレス要因となっています。