なぜ水っぽくなる?空芯菜オイスター炒めを極上シャキシャキにする秘訣
オイスターソースを軸にした味付けは、東南アジア圏のエスニック料理や、主菜としての肉料理へも柔軟に展開できます。
代表的な発展形が、タイ風空芯菜炒めパックブンファイデーンです。タイの屋台名物であるこの料理は、中華風のオイスターソースをベースにしながらも、タイの発酵大豆ペースト「タオチオ(大豆味噌)」、魚醤「ナンプラー」、そして激辛の生唐辛子「プリック・キー・ヌー」を叩き潰して加えるのが特徴です。現地では「ファイデーン(赤い炎)」と呼ばれる通り、鍋から炎が上がるほどの超強火で一瞬にして仕上げます。オイスターソースの芳醇なコクにタオチオの塩気と発酵香、唐辛子の突き抜ける辛さが加わり、熱帯夜に喉を鳴らして飲む炭酸飲料やビールにこれ以上ない相乗効果をもたらします。
また、夕食のメインディッシュに昇華させるなら豚肉と空芯菜のオイスターソース炒めが最も適しています。ただし、ここでも調理の科学が必要です。豚バラ肉や豚こま切れ肉を空芯菜と一緒に炒め始めると、肉から出るドリップ(肉汁)と脂がフライパンの温度を下げ、空芯菜が確実に水浸しになります。正解の手順は以下の通りです。
- 豚肉に少量の酒、塩、片栗粉を揉み込んで下味をつける(片栗粉が肉汁の流出を防ぐバリアになる)。
- 先にフライパンで豚肉を8割方炒め、一度別皿に取り出す。
- 空いたフライパンの汚れを軽く拭き取り、新たに油を引いてから前述の手法で空芯菜を炒める。
- 調味料を入れる直前のタイミングで豚肉を戻し入れ、黄金比タレとともに一気に煽る。
この「別炒め・後合わせ」の原則を守るだけで、肉は驚くほどジューシーに、空芯菜は一切の水分を出さずに仕上がります。